EKIBEN―食べられる曼荼羅
乗る前に食べるか、降りてから食べるか──道中、きっとお腹が空いて後悔するに違いない、でも、旅の一食をありきたりの物で済ませたくはない。駅弁は、旅人の悩みを首尾よく解決してくれる。それどころか、移動時間そのものを、貴重な旅の一場面として彩ってくれるのだ。発着駅には今、実に多種多様な駅弁の数々が並び、老若男女、洋の東西を問わぬ旅行客を魅了する。その起源はどこにあるのか。日本文化はなぜ、斯様に秀逸なアイディアを生み出すことができたのか。歴史を紐解けば、そこには日本人の世界観、思想が幾重にも隠されていた……。
駅弁の「思想」を解き明かす新たな人類学を中沢新一が綴る。
